Komachi MAG.

【連載:あの街の、あのパン屋さんVol.1】マニアも通うパン屋さん

燕市の国道116号から1本中に入ったところ。閑静な住宅街の一角に、マニアも通うというパン屋さん「ベルツ」があります。注意していないと、看板を思わず見落としてしまう。そんなお店ですが、中に入るとお客さんでいっぱいです。人気の秘密を探ってきました。

 

 

お店の中には、小麦の香りがふんわり。八百屋さん風、対面式の販売スタイルです。

ハード系を中心に、ユニークなパンがたくさん並んでいます。飾り過ぎない感じが、逆に魅力的。

黒ゴマとココナツのブリオッシュ。素材の組み合わせ方にも、オリジナリティーが感じられますね。

パンは40種類ほど。シンプルながら1つ1つが特徴的で、ついもう1つとそそられるラインナップです。

 

 

いろいろ食べてみると、どれも生地の食感や味わいが個性的です。みっちり目の詰まった香り高いハードパン、柔らかくて素朴な甘さの菓子パン、優しい口当たりで風味豊かな食パン…。それぞれ種類ごとの特長が際立っていて、食べ比べが楽しい。何度も訪れたくなる理由が分かります。

 

おいしさの理由は、次のページで!

種類によって食感や味わいがはっきり違うベルツのパン。その秘密は、パンを作る上で大切な酵母にありました。ベルツでは、フルーツの酵母と酒かすの酵母を自家製しています。作るのは、パンへたっぷり愛情を注ぐ店主の釣部たかおさん。酵母を上手に使い分け、パンそれぞれの個性を出しています。

 

 

釣部さんがパン作りに目覚めたのは16歳の頃。パン好きが高じて職人になり、以来この道一筋です。研究熱心で、自身も「酵母についてはマニアかもしれません」と話します。

フルーツの酵母の原型。この時期はバナナを使います。持っている酵素によって、酵母向きのフルーツとそうでないフルーツがあるそう。ちなみに、バナナの酵母を使っても、バナナ風味の生地にはなりません。とても奥が深いんです。

小麦粉や砂糖などに酒かすを合わせて育てた酵母です。顔を近づけると、ほんのり酒かすの香りがします。生地を発酵させる力がフルーツの酵母と酒かすの酵母で違うので、そのバランスも考えて使うそう。もはや、化学の領域です。釣部さんおすすめのぷっくり膨らんだバゲット。ちょっといびつな形ですが、それも1つのあじと思えます。酵母をはじめとする自然の素材で作った証拠です。

 

 

釣部さんはどうして自家製酵母にこだわるのか。「理想は生地だけでもおいしいパン。生地を決めるのは酵母です。市販の酵母を使えば、他にもある生地になってしまいますから。昔から、人と同じ、が嫌な性格でして」と、釣部さんはとことん生地のおいしさを追求し続けています。パン好きによる、パン好きがときめくパン。1度食べてみませんか?

パンの店 ベルツ

[住所]燕市吉田下中野217-3
[電話番号]0256-77-5460
[営業時間]9時~18時

(土・日・祝日は8時~17時)
[定休日]火・水曜
[席数]なし
[駐車場]2台

モバイルバージョンを終了